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「ウェーイ」の語源

  • 執筆者の写真: マサ7110
    マサ7110
  • 2018年4月29日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年4月30日

日本人は常に日本語をどれだけ短縮できるかということに頭を使っている。 短い文章で、できるだけ多くの情報を伝えようとするため、国や団体の名前などはしばしば漢字1文字から数文字によって表される。


例えば、 欧米の国々の名は、ふつうカタカナで書かれるが、省略する時には漢字1字を使用することが多い。「英」、「独」、「仏」などがこれである。中には南アのように表記する国もある。


また、機関名や団体名にも、略称が多く使われている。 その中には略称のほうが定着していて、新聞記事だけでなく、日常の会話でも略称の方が多く使われているものがある。

自民(自由民主党)厚労省(厚生労働省)などである。


カタカナを使ったものでは、パソコン、エアコン、メルマガ メルアド コンビニ セクハラなど、つぎつぎに新語が出てくる。


日常会話においても「おはようございます」を「おざーす」、「ありがとうございました」を「あーした」と、途中の工程をぶっ飛ばして発音する人も多い。


一つだけ、日常会話で使われるこうした略語で、語源が理解できないものがある。

それは「ウェーイ」である。


「ウェーイ」

若者が精神的に興奮状態である時にしばしば使用される言葉であるが、一体、どの言葉が省略されこうなったのだろうか。


「ウェーイ」が途中の工程をぶっとばしたタイプの言葉であるなら、もとの言葉は

「うぇ○○〇い」のような形であると推測されが、そんな日本語は聞き覚えがない。


では、 「ありがとうございました」→「あーした」→「した」のようなタイプだろうか。TV番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』を体育会系出身のとんねるずは、自ら「した。」 と呼んでいた。


となれば「○○○○うぇい」という言葉がもとになっている可能性が高い。ここまで考えたとき、私の頭に稲妻が走り、ニューロンをつなぐシナプスが熱を帯びるのを感じた。


「Going my way.」翻訳すると、 『我が道を往く

1944年製作のアメリカ映画にこのタイトルの映画がある。


「我が道を往く」 原題「Going My Way」1946/10/2 公開

老神父と若い神父、歳も性格も違うが、信念は同じとした二人のやりとりを中心に、物静かな語り口のうまさによって、この映画はオスカーを大量に受賞したのであった。


この映画が製作されたのは1944年、第二次世界大戦の終盤の時期である。この時期には連合国軍の優勢が明らかになっていたのは事実で、戦争の終結は時間の問題だったが、それでも当時のアメリカは戦時体制下にあり、多くの若者が兵士として徴用さていた。


そうした時代にも拘らずこの映画には戦争の影はどこにもない。プロパガンダ映画が多く作られるような戦争一色であった世相の中で、人々が求めていたのは、平和な時代の日常生活とそこでの人と人の信頼関係や助け合いといった、戦争の時代には忘れられてしまうヒューマニズムだったのだ。


どれだけ時代が移り変わっても、人間同士のつながりの尊さを忘れてはならない。

若者は「ウェーイ」という言葉で人間関係の希薄化を現代社会に訴えているのだ。



進め若者。どこまでも我が道を往け。





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